オーディオゲームとは、従来の視覚情報を主に扱ういわゆるビデオゲームではなく、音を主なメディアとしたゲームのことです。視覚障がい者のコミュニティを中心に既に親しまれていますが、ゲームやその開発者の数は十分に多いとは言えず、まだ多くの可能性を残す領域です。今回実施した「オーディオゲームセンタープロトタイピングパーティVol.1」は、障がいの有無に限らず、新しい音やゲームを使った表現方法に興味あるエンジニア、デザイナー、音楽家などが集まって、（音を使った遊びを含む）オーディオゲームをみんなで体験し、その上で新しいオーディオゲームについて議論・提案するためのアイディアソン形式のイベントとして企画されました。当日は、オーディオゲームに関係する事例紹介、キーワードを軸とした全員でのアイディア出し 、その後4つのグループに分かれて新作のオーディオゲームのためのより具体的なアイディア出しとプロトタイピングを行いました。複数のスマートフォンから同時に出力される音声を使って遊ぶゲーム、言葉を使って遊ぶゲーム、身体の動きを用いるゲームなどアイディアは多岐にわたりました。今後、2020年に予定するオーディオゲームの展示に向けて、今回のチームを中心に具体的な製作を継続していく予定です。

執筆者：筧康明（東京大学大学院情報学環・准教授）