東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階
東京大学情報学環 オープンスタジオ
ゲームにおけるペナルティーの意義と機能
アーカイブ 2020年02月09日(日)
中山隼雄科学技術文化財団の主催により、北海道大学の小名木明宏教授による講演会が開催されました。
講演では、小名木先生が研究テーマとされている「ゲームにおけるルール」について、ボードゲームの事例を交えて紹介されました。 法学や刑法を専門とされている小名木先生の視点から、ボードゲームにおけるペナルティーは、一般的なルール違反(ゲームを遊ぶ上で、他のプレイヤーを妨害するなどのやってはいけないこと)に対してではなく、プレイヤーの戦略不足に対して科せられているものであると整理されていました。 さらには、ボードゲームのプレイ形式が競争型か協力型かによってもペナルティーの機能の仕方が異なることが述べられていました。
日本で馴染みのあるボードゲームである「人生ゲーム」は、ルーレットが出す数字によってコマを進められるマスの数が決まるためほとんどが「運」で勝敗が決まるのに対し、ドイツゲームの定番である「カタン」や「ディクシット」では、プレイヤーの「戦略」で勝敗が決まるという違いがあるということが述べられていました。また、小名木先生がこれまでに触れてきた様々なドイツゲームが紹介され、参加者らが興味深く聞き入る様子が見られました。
講演の最後に設けられた質疑応答の時間では、参加者らと小名木先生によって、ゲームで遊ぶプレイヤーの様々なケースについての考えや、ゲームと社会との関係等についての議論が交わされました。
この講演会は、中山隼雄科学技術文化財団による研究助成を受けた研究の成果を一般公開する場として開催されました。
2020年2月9日(日)13:00-14:30
公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団
大学、教育、ゲーム業界、その他に関わる方 30名
http://www.nakayama-zaidan.or.jp/
執筆者: 阪口紗季(東京大学大学院情報学環・特任研究員)
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