ゲームデザイン論2024(企画実践)

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中山未来ファクトリーでは、2024年度春学期の全学体験ゼミナールとして、「ゲームデザイン論」という大学1・2年生向けの講義を実施しています。

6月6・13・20・27日、7月4・11日の6日間は、ゲームデザイン・ラボ、株式会社オカキチの濱村 崇さんによるファシリテーションの元、ゲームの企画を考える体験型講義を実施しました。

濱村さんは、ゲームデザイナーとして活躍されていて、2022年春にハル研究所を退職。その後フリーランスとしてディレクション、ゲームデザイン等のコンサルティング業に従事されています。また、世の中のゲームがほんの少しでも面白くなる事に貢献するために自身で「GameDesignLab」としてSNSでゲームデザインに関する知見を発信しています。

初回は6日間でどのようなことを進めてもらうのかといった説明と、グループワークでのコミュニケーションの練習として模造紙やポストイットポストイット、タックシールを使った意見の集約の方法を簡単にレクチャーして、チームごとに推しのゲームを決めチーム名を決めていきました。

各チームの推しゲームもバラエティに富みボードゲームやカードゲームのようなアナログゲームからビデオゲーム、スマホゲームなど今時のゲームも含めゲーム好きが集まっているようでしたが、文系理系かかわらず多様なメンバー構成となっていました。

この6日の体験型講義はゲームの企画をグループで考えることですが、その企画を短いプレゼンテーション形式でまとめて発表をすることを最終日の目標としています。対象は学部1・2年生向けの授業ですが、議論にパソコンやタブレットのなどの機器を使ったり、用意された模造紙や付箋紙も併せて使うなど、テクノロジーもすっかり文具化しています。また、中にはその場にあるもので試遊するための試作をする様子も見られ印象的でした。

2日目以降はゲームの企画を立てていくのですが、その方法として企画の面白さを因数分解することを濱村さんより教えていただき「このゲームの面白さは…」と分析的に因数ごとに説明することができるように各チーム進めていきました。まずはチームの推しゲームから得られた要素に注目して新しいゲームを組み立てて行ったり、その際に前半で受けた講義の知識が役立ったりと着実に議論を進められたようです。

途中中間発表を挟み、企画の進み具合や困りごとなども全体で共有して、お互いに助言し合ったり、講師の濱村さん、授業に同席する昨年まで実戦の講師を務めてくださった岡田さん、株式会社マーベラスの石動さんからはプロの視点からの鋭いご指摘を受ける機会もありました。

最終日の7月11日に行われた成果発表会では、6つのチームがそれぞれのゲーム作品を発表しました。会場には多くの学生や教員が集まり、活気あふれる発表会となりました。

発表されたゲームは、各チームの個性や創造性が表現されており、テーマやターゲット層に応じた多様なアイデアが発表されました。
発表会では、各チームがプレゼンテーションを行い、ゲームのコンセプトやシステム、ターゲット層などを詳しく説明しました。質疑応答の時間には、プレイ人数、プレイ時間、デザインの細部に関する質問が多く寄せられ、活発な議論が展開されました。参加者からは、それぞれのゲームが持つ斬新なアイデアや創造性に注目が集まりました。

一部のチームではその後アイディアを実現してみようと、有志で集まり引き続き議論をしているそうです。ゲーム作りだけでなくても、ここで得られた経験やつながりが、今後の大学生活に生かされていくと良いですね。

日時

2024年6月6・13・20・27日(木)、7月4・11日(木)17:05-18:35

主催

東京大学情報学環 中山未来ファクトリー

関連URL

ゲームデザイン論2024 Webサイト:
https://sites.google.com/view/gamedesign24/
X.com Game Design Lab:
https://x.com/GDLab_Hama

文責:東京大学大学院 情報学環 特任研究員 倉本大資



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