東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階
東京大学情報学環 オープンスタジオ
「あたらしいげんばく展」
アーカイブ 2024年09月15日(日)
2024年9月5日(木)〜8日(日)までの4日間「あたらしいげんばく展」を開催しました。
この企画展ではアートやテクノロジーを活用して核の脅威を表現しようと試みました。通常、広島や長崎にある原爆資料館や被爆遺構に足を運べば、核兵器の被害について学ぶことができます。しかし、私たちはそこに下記の3つの課題感を覚えていました。
①広島、長崎以外で見れない②被爆写真が怖い③昔の話に思える
これらの課題を克服するために今回は東京で被爆写真は使わずに、現代の核兵器の脅威に焦点をあてた内容にしました。企画展の内容を表現するコピーには「これは広島と長崎の話でも、実際に被爆を経験したおじいちゃん、おばあちゃんの話でもありません。今、私たちの隣にある12,000発の核兵器の話です」と記しました。
このコンセプトは共感を呼び、4日間で老若男女986人の方々が来場しました。
会場のオープンスタジオには主催者が作成、キュレーションした作品を8つ展示しました。自主制作したAR「KNOW NUKES」や宝島社の平和広告など、核兵器や平和をキーワードに様々な問いが投げかけられる空間を作りました。
また最終日にはトークイベントを開催し、ゲストに情報学環の渡邉英徳教授、そして『映画 太陽の子』の黒崎博監督にお越しいただきました。会場に用意した座席は満席で、立ち見される方もいらっしゃいました。トークでは、様々な技術を活用しながら日々メッセージを社会に発信するお二人に、作り手としての心構えや倫理観などを伺い、会場からも質問が寄せられました。
間もなく被爆80年を迎える今、被爆者の高齢化は進み、平和活動の中心を担うアクターが入れ替わる過渡期にあります。日々、大量のデジタルコンテンツが消費され、ショート動画が好まれる時代にどうしたら核兵器の問題に関する話題が日常生活のシーンに出現するだろうか。そんなテーマで取り組んだこの企画展は発見の連続でした。まだまだ試行錯誤の最中にありますが、問いを絶やすことなく核兵器の問題と向き合い続けて参りたいと思います。
今回の企画展の開催に際してご協力いただいた皆さま、そしてご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
10月には表参道のギャラリーで一部の作品を展示し、今度も継続的に各地を巡回して参ります。また皆さんとどこかでお目にかかれることを楽しみにしております。
KNOW NUKES TOKYO
2024年9月5日(木)〜8日(日)11:00~18:00
東京大学情報学環オープンスタジオ(中山未来ファクトリー)
株式会社DE、東京大学大学院情報学環渡邉英徳研究室、長崎大学核兵器廃絶研究センター鈴木達次郎教授
株式会社宝島社、ノーベル平和賞委員会、OUTRIDER FOUNDATION
株式会社映人
https://know-nukes-tokyo.com/event
https://youtu.be/CkbuoHzYCno?si=YUkilXud86m2j48z
中村涼香
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