確率を制するもの、恋愛を制す。〜意外と使える!?高校数学〜

アーカイブ

科学技術表現実験実習の授業の一環として、履修者4名で授業内で企画したワークショップを実施しました。ワークショップは「確率」というテーマを「恋愛」という斬新な切り口で扱うところから入り、最後はベイズ推定の基礎まで踏み込むといった内容で、笑いあり学びありの2時間半となりました。参加者の中高生に数学を勉強することへの見方を少しでも変えたいという思いから企画されたワークショップでしたが、実際に「確率の見方が変わった」「もっと確率を勉強しようと思った」などといったフィードバックをアンケートでいただくことができました。「お勉強」というイメージが強い高校数学をいつもとは異なる角度から考え、さらに実世界で確率に関する知識がどう生きていくのかを伝えることができたのではないかと思います。

本ワークショップは「球引き」を題材としたアイスブレイクに始まり、そもそも確率とは何か?条件付き確率とは?という基礎的な内容から始まりました。基礎講義の後、中盤では、恋愛がちょっとうまくいっていなくて(!?)悩んでいる東大生(あずま たいせい)くんという架空のキャラを、確立の力を借りて助けてあげよう!というストーリー仕立ての元、条件付き確率に関するオリジナル例題を実際に手を動かして解くことで理解を深めました。そして、最後にはまとめとして、高校で学んでいる確率が実際にはどのように応用することができるのか、「ベイズの定理」の紹介を通して確率で「結果から原因を予測できる」ことを学んで締めくくりとなりました。ワークショップ終了後には任意参加の交流会を設けました。多くの生徒さんが参加してくださり、これから東大を受けたい!という熱意溢れる生徒さんたちの質問に答える中で、私たちもパワーをいただきました。また、終了後にも確率に関する質問が飛び交い、参加者同士での活発な議論も見られるなどしたことから、ワークショップを通して確率へのさらなる興味を引き出すことができたのではないかと思います。

日時

2019年12月27日(金)14:00-16:30

主催者

確率ワークショップ実行委員会、生産技術研究所/情報学環・川越至桜研究室

参加者

中高生を中心とする15名

関連URL

http://www.kawagoe-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/prob-event-20191227.pdf

執筆者:若林里咲(東京大学大学院理学系研究科化学専攻)



アーカイブ一覧へ