ゲームデザイン論(講師:安原広和 先生)

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中山未来ファクトリーでは,2020年度春学期の全学体験ゼミナールとして,「ゲームデザイン論〜先端技術が生み出す新しいあそび〜」という,大学1・2年生向けの講義を実施しています.

5月19日と26日は,ゲームデザイナーの安原広和さんをゲスト講師としてお招きし,講義を行なっていただきました.

安原さんは,セガエンタープライゼス社のゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の生みの親の一人であり,Naugty Dog社や北米バンダイナムコ社等を渡り歩きながら,「Uncharted」などの人気のゲームを手掛けるなど,日米で活躍されてきました.現在は,Unity Technologies Japan合同会社で教育関連事業に携わりながら,東京工科大学メディア学部の特任准教授をされています.

1回目の講義では最初に安原さんの自己紹介と体験談を交えたゲームデザイナーの仕事内容のご紹介をいただきました.
ゲーム開発会社において,ゲームが作られていく作業工程や,その中でのゲームデザイナーの具体的な作業内容を伺いました.また,安原さんがゲームデザイナーとして関わられていたWalt Disney Imagineering社でのゲームセンター作りの話では,90年代としては挑戦的であったVR技術を用いたゲームアトラクションを開発していたことなど,当時のハイエンドなエンタテインメント制作現場のことが伺えました.

次に,日本のコンシューマゲームの変遷についてのお話がありました.
「スペースインベーダー」などのアーケードゲームが流行した70年代頃から,家庭用ゲーム機の開発も進み,米国のATARI社が発売したカートリッジ式ゲーム機に続いて,日本でも80年代からファミリーコンピュータのようなカセット式のゲーム機が続々と登場し,ゲームソフト制作も産業化していったことについて紹介がありました.
また,日本と海外,特に欧米諸国とのゲーム市場の違いや歴史についても触れられていました.日本が2Dのグラフィック技術やコミカルなキャラクターのデザインに力を入れたのに対し,欧米では3DCGの技術開発が組織的に行われていったこと,そこには国や文化によってどんなゲームやキャラクターを好むのかという嗜好の違いも関係しているという解説は,興味深いお話でした.

2回目の講義では,ゲームデザインの中身に関する踏み込んだお話をしていただきました.
「ゲーム」とはそもそもどのように定義できるのか,「あそび」との違いは何であるのかといった話題から始まり,人間はなぜゲームを楽しいと感じるのかについても,心理学や行動経済学の知識を交えながら解説していただきました.
さらに,人間の心理とゲームデザインとの結びつきについてもイラストや図を用いた説明があり,ゲームの楽しさを作る要素の1つ1つには原理があるのだということが伺えました.
ゲームといっても,アーケードゲームやテレビゲームのほかに,近年ではスマホゲームやVRなど様々な形態のものがあり,それぞれ特有の楽しさが設計されています.学生からは,ガチャや課金など,スマホゲームが流行っている今の時代に特有のゲームの楽しみ方について,ゲームデザインの観点からはどのように考えるのか,であったり,最近人気のあるスマホゲームの面白さは心理学や行動経済学の学説を用いるとどのように説明できるのか,といった内容の質問があり,ゲームデザインへの関心の高さが伺えました.

日時

2020年5月19日(火),5月26日(火) 16:50-18:35

主催

東京大学情報学環中山未来ファクトリー

参加者

大学生 53名

関連URL

ゲームデザイン論Webサイト:
https://sites.google.com/view/gamedesign2020/

執筆者:阪口紗季(東京大学大学院情報学環・特任研究員)



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