東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階
東京大学情報学環 オープンスタジオ
ゲームデザイン論 2021(講師:安原広和 先生)
アーカイブ 2021年05月28日(金)
中山未来ファクトリでは、2021年度春学期の全学体験ゼミナールとして、「ゲームデザイン論」という大学1・2年生向けの講義を実施しています。
5月20・27日は「ゲームとあそび」と題して、ゲームデザイナーの安原広和さんをゲスト講師としてお招きし、講義を行なっていただきました。
安原さんは、セガ・エンタープライゼス社のゲーム「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の生みの親の1人であり、NaughtyDog社や北米バンダイナムコ社、北米任天堂を経て、現在Unity Technologies Japan合同会社にて教育関連事業に携わりながら東京工科大学メディア学部の特任准教授をされています。
安原さんの講義では、ゲームデザインにおけるマーケットやプレイする人間の心理などの要素を中心にして楽しさの設計について講義が行われました。
1回目の講義では、安原さんの体験談を交えながら、まず、ゲームが作られていく作業工程やゲームデザイナーの具体的な作業内容や作業の変化について紹介いただきました。ゲームのメモリー容量の制限の中で工夫し、楽しくするか?や、ゲームの難易度調整などの具体的な内容について伺いました。また、ゲームやエンターテイメント業界の歴史を元に、VR技術やハードウェアなどを当時の映像を元にしながら、これまでのゲームから今後の業界の動向に関して伺えました。特に、安原先生から示されたこれからのゲーム業界に必要な要素としてクリティカルシンキングが示され、先入観で判断せず、マーケットや技術など多様な側面から調査していく必要があることが示されました。
2回目の講義では、ゲームにおける「たのしさ」をどうデザインするか?という観点から、人間の心理や行動の知識や、デザインのテクニックをお話していただきました。 また、発見したおもしろさやゲームが楽しいかをプロトタイプするツールとして、現在のゲーム開発に使用されているUnityというゲームエンジンについての利用や自動車や建築といった異なる分野での活用事例についても伺いました。
安原さんはゲームをプレイヤーとクリエーターの両者が一組になった時にはじめて機能する「インタラクティブ」なメディアと定義しており、ボードゲームのようなアナログなものからテレビゲーム、近年のスマートフォンを用いたゲームやVRなど様々なプラットフォームが変化しようともヒトに寄り添い考える事で一環してゲームをデザインする事が出来る考え方が示された講義でした。
2021年5月20日(木)、5月27日(木) 16:50-18:35
東京大学情報学環 中山未来ファクトリー
ゲームデザイン論2021 Webサイト: https://sites.google.com/view/gamedesign2021/
執筆者:伊達亘(東京大学大学院情報学環・特任研究員)
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