あそびの未来ファクトリー2022

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2022年2月15日(火)から24日(木)にかけて、第4回目となる東大生を対象としたアイデアソン「あそびの未来ファクトリー2022」を開催しました。
このアイデアソンでは参加者は4-5人のチームで「あそび」とは何なのかについて考えを深めることと、既存のあそびの分析を経て「未来のあそび」を実際につくりあげることに取り組みます。本年度も感染症対策の観点からオンラインにて実施しました。
オンラインでのチームメイキングとして、開催前に「あそび」に関するアンケートを実施し、屋外・屋内のあそびやテクノロジーの組み込みなど、考えるあそびに関する方向性を調査して、運営側で興味が近い人同士でチームを編成しました。参加者たちはZoomのブレイクアウトルームや、オンラインホワイトボードMiroやSlackなどの協働をサポートするツールを使いながら議論を行いました。

会期中のスケジュール
2月15日(火)自己紹介・説明会・チーム分け・ブレインストーミング
2月16日(水)技術サポートday
2月17日(木)技術サポートday
2月18日(金)中間発表会
2月21日(月)技術サポートday
2月22日(火)技術サポートday
2月24日(木)最終成果発表会

Miroを利用した議論(一部)

アイデアソンでは、まず「あそび」に対する考え方を深めるために阪口紗季先生(東京都立大学システムデザイン学部 助教)と安斎勇樹先生(東京大学大学院情報学環 特任助教)によるレクチャーを実施しました。カイヨワによるあそびの類型を軸に、参加者がこれまであそんできた「あそび」に関する分析を行いました。
技術・デザインサポートdayは、主に参加学生がZoomのブレイクアウトルームなどで作業や議論を行う日ですが、ゲームデザイナーやエンジニアとして活躍する方々をアドバイザーとして招き、学生のアイデア出しや実装のための技術サポートをしてもらいました。
中間発表では、各チームからあそびのアイデアがプレゼンされ、学内外から招待された審査員から質問やコメントを受けた後、参加者やアドバイザーからもSlack上で質問やコメントを送り合いました。
最終成果発表会では、各チームが新しく生み出したあそびの紹介ビデオの上演とプレゼンテーションが行われました。VRゴーグルを用いたテクノロジを組み込んだあそびや、オンラインで瞬時に結果が出るあそびなど各チーム異なる観点からアプローチし独創的なアイデアを実装していたことが伺えました。

最終成果発表会では審査員とアドバイザーによる審査が行われ、今年は2つのチームが表彰されました。

最優秀賞
あそび:ink-a-teikoku インク-ア-テイコク
チーム:APEX

優秀賞
あそび:しちならべすごろく
チーム:Anti-ViRus

「しちならべすごろく」 by Anti-ViRus チーム
「ink-a-teikoku インク-ア-テイコク」 by APEXチーム

優秀賞の「しちならべすごろく」は、しちならべとすごろくという既存のあそびをブリコラージュし、新しいあそびへと展開させました。最優秀賞「ink-a-teikoku インク-ア-テイコク」は、ディスプレイ上で多人数で遊べるあそびです。インターネットのビデオ通信の遅延によってジャンケンができないことに着目し、画面上をクリックし、その面積の大きさで競い合うジャンケンに代わる瞬間的に決着が着くあそびを作り出しました。
受賞作品に限らず、VRゴーグルを用いたあそびの提案やオンラインやワークショップでのアイスブレイクに利用可能なあそびなど、様々な視点や目的、あそぶタイミングから考察しながら新しいあそびを考えていたと思います。
今年はオンラインでの開催の中での実施の中で各チーム感染症対策を行いながら、実際にボードゲームで遊んでみることで分析するなどの体験・分析・考察が行われていたと思います。
これまで既存のあそびの中であそぶことがほとんどだった学生らも、楽しいあそびをつくり・面白さを伝えるだけでなく、既存のあそびの持つ面白さをただあそぶことから考えたり、さらに楽しくするためにはどうするかといった分析的な視点が獲得できたと思います。
あそびの未来ファクトリーでの活動をきっかけとして、今回提案されたあそびを発展させて社会実装したり、自身の研究の中にあそびの要素を組み込むなど、参加学生たちが今後も活躍していくことを期待します。

日時

2月15日(火)〜2月24日(木) 14:00-17:00

主催

東京大学情報学環中山未来ファクトリー

参加者

大学生・大学院生 23名

関連URL

あそびの未来ファクトリー2022 公式サイト
成果物のページ

執筆者:伊達亘(東京大学大学院情報学環・特任研究員)



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