あそびの未来ファクトリー2023

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2023年2月10日(金)から22日(水)にかけて、第5回目となる東大生を対象としたアイデアソン「あそびの未来ファクトリー」を開催しました。
このアイデアソンでは、参加者はチームに分かれて「あそび」とは何かについて考えを深めることと、既存のあそびを実際に遊んでみながら楽しさの理由や楽しくするための工夫などの分析をへて「未来のあそび」を実際に作り上げることに取り組みます。
本年度は感染症対策に気をつけながら3年ぶりの対面開催となりました。
参加者へは事前にあそびに関するアンケートを行い、屋外・屋内のあそびやあそびへのテクノロジーの組み込みなど、考えるあそびに関する方向性を調査しました。そして、アンケート結果から興味が近い人同士で運営側でチームを編成しました。参加者たちは、情報学環オープンスタジオにて既存のボードゲームなどのあそびをおこなったり、他チームの作ったあそびで遊んだり、時に一緒にアイデアを考えながら、作るあそびや作ったあそびに関する議論を行いました。

会期中のスケジュール
2月10日(金)|10:00〜12:00|自己紹介・説明会・ブレインストーミング
2月13日(月)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月14日(火)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月15日(水)|14:00〜17:00|中間発表会
2月16日(木)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月17日(金)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月20日(月)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月21日(火)|14:00〜17:00|技術サポートday
2月22日(水)|14:00〜17:00|最終審査会

アイデアソンでは、最初に「あそび」に対する考えを深めるための講義を行います。阪口紗季先生(東京都立大学システムデザイン学部 助教)と安斎勇樹先生(東京大学大学院情報学環 特任助教)によるレクチャーでは、ピーテル・ブリューゲルによる絵画「子供の遊戯」が紹介され、様々なジャンルのあそびを見ながら500年ほど前にもかからず、今もさほど変わらない人間とあそびとの関係性について思いをはせながら、参加者がこれまで遊んできた「あそび」をあげてもらいました。その後、ロジェ・カイヨワによるあそびの類型を軸に「あそび」の分析を行いました。
技術サポートdayは、主に参加学生がチームごとに分かれて作業や議論を行う日ですが、ゲームデザイナーやエンジニアとして活躍する方々をアドバイザーとして招き、学生のアイデア出しや実装のためのアドバイスをしていただきました。
最終審査会では、各チームが新しく生み出したあそびの紹介ビデオの上演と実際に遊んでみるデモンストレーションが行われました。実在の空間を利用した移動することによるあそびや、絵と漢字による伝言ゲームなど各チーム異なる観点からアプローチし独創的なアイデアを実装していることが伺えました。

「狐の神隠し」by エスパータイプ チーム
「こたつみかん」by コタツミ感 チーム

優秀賞の「狐の神隠し」は、少ない人数で短時間に遊べる新感覚人狼ゲームです。少ない人数でも楽しめるようにゲームのバランス調整をおこなっていたと思います。最優秀賞の「コタツミカン」は、机の上で行われる多数か否かで勝敗を決めるあそびのコミュニケーションの方法として、机の下で参加者が指と指とを紐でつないで引っ張り合うことによる対話を採用しています。空間を立体的に見ながら、机上のシンプルさと言葉による対話とは異なる(が、意外と通じる)コミュニケーションとのバランスが審査員たちに新しさを感じさせたと思います。
「新しいものを作る」と言われると体験の斬新さなどに頭を捻ることが多くなりますが、これまでにあるあそびの人数や空間の使い方などを変更することによって新たなあそびと体験への兆しを生み出していると思います。
これまで既存のあそびを受け身であそぶことがほとんどだった学生らも、楽しいあそびをつくり・面白さを伝えるだけでなく、既存のあそびの持つ面白さをただあそぶことから考えたり、さらに楽しくするためにはどうするかといった分析的な視点が獲得できたと思います。
あそびの未来ファクトリーでの活動をきっかけとして、今回提案されたあそびを発展させて社会実装したり、自身の研究の中にあそびの要素を組み込むなど、参加学生たちが今後も活躍していくことを期待します。

日時

2月10日(金)〜2月22日(水) 14:00-17:00

主催

東京大学情報学環中山未来ファクトリー

参加者

大学生・大学院生 12名

関連URL

あそびの未来ファクトリー2023 公式サイト

執筆者:伊達亘(東京大学大学院情報学環・特任研究員)



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