東京大学 本郷キャンパス 情報学環本館地下1階
東京大学情報学環 オープンスタジオ
ゲームデザイン論 2024(講師:松田白朗 先生)
アーカイブ 2024年05月16日(木)
中山未来ファクトリーは、2024年度春学期の全学体験ゼミナール「ゲームデザイン論」が開講しました。今年も対面形式で実施され、30名の受講生が熱心に学んでいます。5月2日と5月9日には、ゲスト講師としてゲームプラットフォーム開発のエキスパートである松田白朗さんをお迎えし、最新技術とその応用に焦点を当てた講義が行われました。
松田さんは、Google社でエンジニアとしてAndroid Gamesを担当されている他、遡るとApple、Microsoft、SEGAと渡り歩き、過去にはXboxやDreamcastなどのハードウェアの開発に携われていました。
この2回の講義では、生成AIやスマートフォン技術がゲームデザインに与える影響、GPSを使った一ゲーム、メタバースなどの新技術の展望から、フリー・トゥ・プレイといったビジネスモデルについても触れられていました。
第1回講義(2024年5月2日)では生成AIとゲームコンソールの進化を中心にお話しいただきました。まず生成AI(GenAI)技術の現状と課題について説明されました。特にChatGPTのようなAIがゲームのNPCにどう活用できるか、そしてプロンプトエンジニアリングの重要性について議論が交わされました。
続いて、ゲームコンソールの歴史に話題が移り、第1世代から第9世代に至るまでの進化を振り返りながら、コンソールビジネスのモデルやAAAタイトルの持続可能性について深く考察されました。また、各世代のハードウェアの成功と失敗についても具体例を交えながら解説が行われ、ロード時間の進化がゲーム体験に与える影響へも話題が広がりました。
第2回講義(2024年5月9日)では、スマートフォンと次世代技術についてお話しいただきました。PC的な構成だったゲーム機がスマートフォン向けの技術へ移行したこと、さらにスマートフォン上でゲームの普及とそのゲームデザインへの影響が中心的なテーマとなりました。スマホが世界のゲームプラットフォームとしての地位を確立し、フリー・トゥ・プレイモデルが1〜2%の課金ユーザーによって支えられている現状について説明されました。また、課金ガチャやサブスクリプションといった収益モデルの多様化にも触れました。
さらに、2001年以降のゲーム機から2010年以降のスマートフォンへの技術のシフトが、VR機器や位置情報を活用したゲームデザインにどのような影響を与えているかが解説されました。メタバースやドラクエウォークといった新しい技術や体験の未来についても、具体的な例を交えながらの議論が展開されました。
この2回の講義を通じて、松田さんはゲームデザインにおける最新技術の進展と、それらが未来のゲーム体験にどのように影響を与えるかについて、深い洞察を与えてくれました。
2023年5月2・9日(木) 17:05-18:35
東京大学情報学環 中山未来ファクトリー
ゲームデザイン論2024 Webサイト: https://sites.google.com/view/gamedesign24/ X.com Hak Matsuda : https://x.com/hak
文責:東京大学大学院 情報学環 特任研究員 倉本大資
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