マーベラスゲームジャム @東京大学 中山未来ファクトリー

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2024年3月13日(水)〜15日(金)の三日間、株式会社マーベラスが主催する「マーベラス ゲームジャム」がオープンスタジオで開催されました。

株式会社マーベラスは、家庭用ゲーム機向けのゲームなどを開発・販売しているゲームパブリッシャーです。
今回のイベントは、将来ゲーム業界でゲーム制作に関わることを希望している学生がチームで参加し、たった三日間と言うとても限られた時間内で「ゲーム」を作るというものです。未来のプロを目指す31名の学生が参加し、1分1秒を惜しんで必死に開発を行いました。

今回参加したのは技術系の専門職大学生やゲーム系の専門学校の学生たち。各3〜5人のチームが8チーム参加しました。中には遠隔地から、東京にホテルを取って参加した学生もいました。

集まったのは8チーム 31名の学生たち

イベントでは、初日にゲームのテーマが与えられ、その瞬間からそのテーマに沿って内容を考え始めます。

今回のテーマは「まざる。」

全参加者は、初日のこの瞬間までテーマを知りません

たったこれだけの単語から、各チームが一斉にゲーム企画を始めます。開発は三日目のお昼過ぎまでに完了させなければなりませんので、あまり企画に時間を割くわけにはいきません。
ほとんどのチームは初日の内に概要を固め、細かい所は作りながら考えていくことになります。

三日間とは言っても、実際に開発出来る時間は短いです

今回のイベントでは、開発には Unity を使うことがルールになって、最終成果物は WebGL 形式で公開することになっています。そのためのサーバと開発中に使う git 環境を主催側が用意していました。
普段からゲーム制作を勉強している学生たちですが、git を扱うことに慣れているチームと不慣れなチームなどがあり、その他にも細かい所で躓いたりもします。
また、チーム内にプランナー志望の学生がいるチーム、デザイナー志望の学生がいるチーム、あるいは全員がエンジニア志望の学生のチームと、それぞれ特色があり、進捗もさまざまでした。

株式会社マーベラスが主催してこのイベントを行うのは初めての挑戦で、ゲームを作る人になりたい学生たちの後押しをしたいと言う意図がありました。そのため、株式会社マーベラスの開発部に所属するエンジニアが会場内に常駐し、前述の git の使い方や WebGL のビルド方法、あるいはゲーム内での実装方法などのサポートを行いました。

時間はあっという間に過ぎてしまい、このままでは間に合わないと思った参加者は、会場クローズ後も自宅やホテルでほとんど寝ずに開発していた人もいたようです。短い期間に集中して仲間と一つのことを成し遂げる、ある種のお祭り的な感覚がありました。

ほぼすべてのチームが、三日目の開発終了時間ぎりぎりまで手を動かしていましたが、13:30で開発時間は終了。
それぞれのチームが自分たちの作品を発表し、お互いに評価しあう時間となります。
即興で作ったゲームですが、チームごとに特色があり、オリジナリティに溢れたものになりました。発表時点では動作があやしく、止まってしまうものもありましたが、後からコッソリ直してたのもご愛敬です。
参加者それぞれが「自分以外のチーム」に投票する形で、優秀賞とユニーク賞を選定しました。

ユニーク賞を受賞した『素羅威夢 漢道』

発想が面白いゲームだったとして表彰されたのは、群馬県の太田情報商科専門学校からホテルを取って参加したチーム「井の中の竹」の『素羅威夢 漢道』。(スライムおとこみち)
プレイヤーキャラクタであるスライムは、敵を倒すごとに敵の能力の一部を自分の体に「まぜて」いき、その能力を使って障害をクリアして行くと言うものです。ゲームシステムだけでなく、物語の(良い意味での)バカバカしさもウケていました。

優秀賞を受賞した『Color Cake Mix』

そして優秀賞を受賞したのは、バンタンゲームアカデミー東京校から参加したチーム「プログラマはおしまい」の『Color Cake Mix』。
プレイヤーはパンケーキ屋さんになって、お客さんが希望する「色」のパンケーキが作れるように7色のパンケーキミックスの中から3色を選んで混ぜ合わせます。
マウスをグルグル回しながらパンケーキミックスを混ぜていくという楽しい UI と、実際に色が混ざっていくシェーダーでの表現が、高く評価されていました。
株式会社マーベラスにおかれたゲームジャムの公式サイトでは、このゲームが遊べるようにする予定ですので、ぜひ遊んでみてください。

受賞作はこの二つですが、それ以外のチームも多くの票を集め、順位は拮抗。終了後の交流プレイ会でもそれぞれのゲームが評価され、また開発者同士で実装方法の質問をしあったり、発想を褒め合ったりと多くの交流が生まれていました。

株式会社マーベラスは今回のゲームジャムを皮切りに、ゲーム開発者を目指す学生の後押しが出来るようなイベントを行っていきたいと考えており、今後も定期的にオープンスタジオでのゲームジャムは続けていくことを検討しています。

日時

2024年3月13日(水)〜15日(金)

主催

株式会社マーベラス エンジニア採用企画室

参加者

大学生・専門学生 31名

関連 URL

マーベラスゲームジャム

執筆者 石動太一 (株式会社マーベラス エンジニア採用企画室 室長 兼 開発部 副部長)



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